日本で働く外国人の方にとって、「転職」という問題は、意外に難しい問題なんですよね。

とはいえ、働くからには、待遇的にも福利厚生的にもより良い条件のもとで、と考えることは、人間として当然のことですよね。

ところが、やはり、外国人の方には在留資格の問題が発生するわけです。

外国人のみなさんは、何らかの在留資格をもって日本で生活しているわけですが、逆に言うと、お持ちの在留資格に定められたこと以外はできない、ということになります。

つまり、在留資格「技術・人文知識・国際業務」をお持ちの方は、その資格で働くことができる会社でしか就労することはできません。

（もちろん「永住者」などのような身分的在留資格をお持ちの方は、基本的に就労制限はありませんが。）

では、まず転職を考える場合に最初にすべきことは何でしょうか？

それは、「就労資格証明書」交付申請を行うことです。

これは、当該外国人が、日本で就労することができる在留資格を持っていることに加え、就労できる「業種・職務内容」であるかを確認するための手続きです。

転職手続きの場合には、転職先予定の会社概要としての資料（謄本、決算書、会社案内など）や申請人への労働条件通知書もしくは雇用契約書を提出する必要がありますが、これらは、将来に向かっての話ですので、準備することが比較的容易かと思います。

ところが、転職には厄介な問題があります。

それは、前職の会社から「退職証明書」と「源泉徴収票」をもらっておく（もらう）ことです。

辞めた会社（辞めようとする会社）から退職証明書や源泉徴収票をもらうことは、なかなか難しいことかもしれません。

しかし、これは前職に勤めていた会社の信用問題でもあるわけで、こういった書類が準備できるかできないかで手続きに大きな差が出ることになります。

現実的には、転職後にこの手続きをする場合も少なくないですが、原則的には転職前にすることがベターですし、外国人の方にとっても有利です。

せっかくの転職のチャンスを逃さないためにも、気になる方はお気軽にご相談ください。