ホームページには掲載できない・・・

とても歯痒いことではあるのですが、私が知っていることを単純にホームページ上に書くわけにはいかないことがあります。

情報を出し惜しみしているわけではなく、ホームページ上に掲載できない理由がちゃんとあります。

 

医療法人の手続きに限って言えば、

みなさまがお探しの情報がホームページ上に「逆に」出ているとすれば、それはまだ核心をついていない可能性があるということ。

なんと表現したら伝えられるのか難しいのですが、一言で前置きするならば、

「医療法」は未完成の法律ということ。

ですから、もともと未整備の部分が多く存在し、通知や行政指導等が補足している状態なので、いわゆる民法や会社法のように扱えないこと。

ということは、『はっきりしたことがなかなか書けない』という状況に必然的に陥る。

とはいえ、そんなことも言ってられないので、私のこのホームページにもいろいろと掲載してある事項も少なくありません。

ただ、それは通説的にほぼ異議が出ないような見解に基づいたものに限定しているつもりです。


話を元に戻しますが、

未完成のはずなのに、ややもすると断定的に『・・・はできます』『・・・はできません』と掲載されている場合、実はそのことにはまだ「別の核心」があるかもしれない、ということです。

だから、私は個別具体的な案件に相当するような特殊なケースについては、その表現に苦慮しています。その情報だけをみて自分の状況に当てはめて判断される方がいますからね・・・

 

ところが実際にはネット上にあまりにも曖昧な解釈(もっと強く言えば誤っている可能性がある解釈)が堂々とホームページ上に掲載されているという現実。。


少しでも悩んでいる方の手助けになればと思い、『あまり教えたくない本当のところ・・・』のコーナーの前置きのご挨拶とさせていただきました。

(なお、当ページは2014年9月掲載のため、2016年9月の医療法改正発表前のものとしてご理解ください)

設立時の拠出金(基金拠出)はいくら必要か?

いくら準備しないといけないという基準となるような具体的な数字はありません。

結論としては、運転資金を賄うことができれば良いわけです。

ここで、運転資金とは、「原則として初年度の年間支出予算の2ヶ月分に相当する額」となっていますから、まずは、そこから数字を積み上げていきます。

今は「持分なし」の医療法人しか設立できませんから、意味のない拠出金は避けましょう!

 

保険等基金収入を主な医業収入としている場合は、それが入ってくるまでの資金が必要ですが、自費診療収入の場合は、それほど多くの拠出金を準備する必要がありません。

ましてや、不要な預貯金などを拠出する必要は全くありません。

 

このあたりに誤解がある場合は、なるべく早い段階で積算し直しておくことをおすすめします。

また、このことは、拠出を基金拠出とする場合も同様です。

 

爆弾個人時代につきあいのあった顧問税理士の方が、よく分からずに設立した結果、医師である理事長先生が知らない間に個人所有のお金が法人のものになっていた(不用意に拠出してしまった)なんて話をたまに耳にしますのでご注意を。気になる方はご相談ください。秘密は厳守いたします。

設立当初の財産目録

医療法人設立認可申請を無事終え、認可書を受け取ったら設立登記をすることになります。

この設立登記の際の添付書面に「資産の総額を証する書面」があります。

これは、設立当初の財産目録のことなんですが、

さて、ここで悩ましい問題があります。

 

それは、設立当初の財産の中に固定資産がある場合は、減価償却分が減少していることです。

この問題は、設立認可をする際の財産の基準日と設立登記時点の期間の差異が原因になっています。

 

ひらめき ご安心ください。

差異の金額にあまりにも相違がある場合には、その差額を現金で埋めて欲しいという都道府県の指導がある可能性もありますが、大抵は、その差額は数十万円程度ではないでしょうか!?

この場合は、便宜上、認可申請時の財産目録で登記しても、設立時点の期日の財産額で登記しても問題はありません。むしろ、認可を経た、という点では、認可申請時のもので登記しておくことを私はオススメしています。

結果的には、決算1期目が到来した時に、資産総額の登記をすることで、どちらの案を選択しても金額は一致するので問題ありません。

負債の引き継ぎのためにどんな書類を準備すれば良いのか?

個人開業時代に購入した医療機器や建物の内装設備費用などを金融機関からの借り入れで行うことはよくあります。

そして、医療法第41条で、「医療法人は、その業務を行うに必要な資産を有しなければならない。」とあり、同条第2項で、「その資産に関し必要な事項は、医療法人の開設する医療機関の規模等に応じ、厚生労働省令で定める。」とあります。

これを受け、医療法施行規則第30条の34で、「医療法人は、その開設する病院、診療所又は介護老人保健施設の業務を行うために必要な施設、設備又は資金を有しなければならない。」とあります。

つまり、医療法人化にあたり、必要な施設、設備、資金を有していなければならない、ということです。

ただし、これらを無借金で準備しなさい、とまでは言っておらず、公正妥当な収支予算の範囲内で負債を引き継ぐ方法を準備していると解釈できます。

爆弾 とはいえ、無制限に負債の引き継ぎができるわけではありません。

 

ポイント1:単なる運転資金の引き継ぎは不可

次項有設備資金と運転資金が合算された金銭消費貸借契約書の場合は、根拠資料のもと、按分での負債引き継ぎとなります。


 ポイント2:拠出する財産の取得日より前の借入日でなければならない!

次項有負債(借り入れたお金)で財産を購入したものだけが引き継ぎの対象となります。これは、例えば、建物内装工事であれば、建築会社等からの工事請負契約書・見積書・請求書・領収書・振込通帳のコピーなどから判断されます。


 上記2つのパターンにあてはまらないタイプのものは、引き継ぎ可否を行政庁に事前に相談することをおすすめします。ただし、この照会の方法にもテクニックが必須です。



◎必要書類のまとめ◎

借入れに関する書類 金銭消費貸借契約書、返済予定表など
支払いに関する書類  売買契約書、工事請負契約書、領収書など 

むかっ(怒り) 見積書や請求書のみでは、契約そのものや代金の授受があったかの確認ができないので不可です。

特別代理人選任申請が廃止されたことによる理事会での対応方法

ひらめき平成28年9月施行の改正医療法により、理事長と医療法人との競業及び利益相反取引を行う場合の都道府県による認可手続き「特別代理人の選任申請」が廃止されました。

次項有これを受けて、今後は、医療法人の理事会において手続きをすることとなり、都道府県に対しても『理事会議事録』を提出することとなります。

 

改正医療法及び準用される「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」を勘案すると、

理事が下記の取引をしようとする場合には、理事会において、その取引について重要な事実を開示し、その承認を受けなければなりません。

 

1.自己又は第三者のためにする医療法人の事業の部類に属する取引

2.自己又は第三者のためにする医療法人との取引

3.医療法人がその理事の債務を保証すること、その他その理事以外の者との間における医療法人とその理事との利益が相反する取引


そして、取引後、遅滞なく、その取引についての重要な事実を理事会に報告しなければなりません。

 

特別代理人選任申請が廃止されたことによる理事会での対応方法や議事録作成に関してのお問合せはこちらから

医療法人化に躊躇するのは、終わり方が気になるから?

平成19年の医療法改正により、いわゆる持分のある医療法人の新規設立はできなくなりました。

これにより、医療法人を解散した場合の残余財産は、国や地方公共団体などに帰属することになりました。

( 爆弾 「国や地方公共団体などに帰属」 ⇒ どういう時にそうなるのか、この部分のホントの理解ができないと誤解したままです・・・ご注意を

このことが、医療法人化を検討するに際し、デメリットの1つに感じているのかもしれません。

 

しかしながら、そもそも「解散しなければ=常に後継者を想定して診療所(クリニック)運営ができれば」、残余財産が国等のものになることはないですし、また、仮に解散するとしても「残余財産自体がなければ」、国等のものになる財産自体もない、ということになります。

 

つまり、これから設立しようとする医療法人のエンディングシーンをあらかじめ想定することで、どのような対策を講じるのか考えれば良いということです。

ひらめき これから医療法人化を目指すのに、『終わり』を考えるのは、妙な感じですが、とても重要なことです!


一例としては、毎年の役員報酬の設定や退職金制度の活用など、計画的に残余財産との調整を図ることができると思います。また、いわゆるMS法人の活用も考えるべきでしょう。

しっかりとした出口戦略のもと、ある程度は回避できる部分と言えます。

医療法人の手続きは誰に頼むべきか

眉唾ものになってしまうので、あまり書きたくなかったことなんですが、いったい誰に医療法人の手続きを頼んだら良いのでしょうか、という問いをあえてしてみたいと思います。

まずは現状を把握してみましょう。

一般的には、税理士の先生にご依頼されているケースが多いと思いますが、いかがでしょうか?!

さて、その答えとしては・・・

間違い、とは言いませんが、50点くらいでしょうか。

では、なぜでしょうか?

税理士さんは、主に税金、もっと広く捉え、お金のやりくりに関してのプロとは言えますが、行政手続きに関しては、基本的には専門外のはずです。

実は、医療法人の手続きという”行政手続き”は、お金のやりくりという範囲でない業務が少なからず存在します。

この部分のプロが、行政書士ということになります。

先の拠出金の項目でも少し触れましたが、行政手続きをスムーズに行うには、ある程度テクニックがないとうまく捌くことができないケースがあります。軌道修正が可能な問題であれば被害は小さいですが、取り返しのつかないこともあります。

これまで、自分のところの手続きを誰に任せるのか、ということにあまり時間を割かなかった先生方も少しお考えいただきたい着眼点として目に留めていただけたら幸いです。

行政指導の対処方法

行政指導に法的拘束力はありませんexclamation

しかしながら、我が国では、実質的に行政指導にはなかなか逆らえない構造があります。


行政手続法第32条に『行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。』とあるにもかかわらず・・・

 

また、行政指導の内容について書面で回答を求めても、それすら実行されないことがほとんど。

この書面にしてもらう意味は、『訴訟を提起する際の証拠確保』と『行政が指導を行う際の慎重な判断を担保する』という重要なものであるにもかかわらず・・・

 

現状はと言えば、行政指導に従わなければ、認可をしないとか不利益な判断を下しているという違法状態がまかり通っているわけですね。

 

この問題は一筋縄では行かない厄介な事情ではありますが、根気よく交渉を続けて行かなければなりません。

本来は100%申請者側の言い分が正しくてもこちら側がいろいろと画策しなければならない、という理不尽なことなんですが、仕方ありません。

 

行政指導の中止等の求めをするにも、結果的にそれを提出する先は当該の行政部署のため、全く実効力が無いと言っていい始末・・・

 

法令や通知の解釈が根本的に間違っている行政担当者を相手に話をしなければならない歯痒さは言葉では伝えられないほどのもどかしさがあります。

 

当事務所ではそういった問題についてもお客様と行政の間に立ち、スムーズな手続きができるようフォローアップを行っております。

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