医療法人の解散は確実に増加傾向です。
それも経営・資産状況が悪化したというケースよりも「後継者不在」や「医療法人継続意欲の欠如」によるものが少なくないように思います。
これらの原因を考えてみると、
前者は、既存の医療法人の理事長をはじめとする経営陣の高齢化でしょう。
すでに相続が発生し、混沌とした状況に陥ってしまった医療法人もあるでしょう。
後者は、医療法人に課せられた制約に限界を感じてしまった、というところでしょうか。
個人経営から医療法人化しても、複数の診療所を出したり、訪問看護や介護事業などの附帯業務をやらず、1つの診療所のみを運営している場合は、法人である必要がありません。この場合の法人である意義は税金対策という意味合いがほとんどでしょう。
最初は節税メリットに意義を噛み締めても、その後、状況の変化によりそれは風化してしまう場合もあります。
ところが、医療法人という枠組みに課せられる制約は全く変わりません。
いつの間にか煩わしさだけが浮き彫りになり、何のために法人化したのか疑問にさえ思ってしまうこともあるのではないでしょうか?!
『解散』という選択は、別に悪いことではありません。
経営判断の一つですし、先延ばしにするほうがもっと問題ではないかと私は思います。
しかしながら、解散するにしても、やり方は千差万別です。
その方法によって、だいぶ差が付くことも事実です。
何を目的に解散するのか、医業は継続するのか、医療法人はどう処理するのか、
どう進めても同じ、とは限りません。
解散の仕方で結果は天と地ほど変わることを是非知っていただきたいと思っています。