何か物理的な”モノ”を売るにしても、そのモノの値段には材料費や人件費、諸経費のほかに付加価値がプラスされているだろう。付加価値の大小は抜きにして。
また、料理を売るなら、そこには当然、その料理人だから、その店だから、という付加価値がONされているだろう。
では、われわれ士業の場合はどうか。
まず、ほとんどの場合、材料はない。
文書で納品するなら紙代、データならその保存媒体、その程度。
そう、われわれは大抵、目に見えない、”いわゆる付加価値だけ”を売ることがほとんどなので、その値段がいくらなら妥当なのかは見えにくい。
「許認可を取得する」という値段は割と明確な方かもしれない。
最終的にゴールは同じだからだ。
(だから自ら研鑽を積み、自らの原価を下げようと努力する)
ただ、難しいのは「情報」「テクニック」だけに値段がつくのか、ということだ。
これはとても難しい問題だと考えています。
例えば、世界でこの人でしか成功しない手術があれば、その外科医には技術料があって当然ですよね。ふつうはそう思う。
でも、逆に言うと、医者なんだからそれが難しいか簡単かで違っていいの?っていう疑問もあるのかな、なんて気もします。
私はこちら側の人間なんで、どうしても上記で言えば前者、難しいものは高い、という方に傾いてしまいがちなんですが、いつも悩んでいる部分ではあります。
病院やクリニックは、身体が不調なときに行って、結果仮に治らなくてもお金はかかりますよね!?
われわれはそうは行かない。
ほとんどの場合、結果がすべて。100%インセンティブ。
(もちろん業務によっては、結果にかかわらず報酬が発生するものもありますが・・・)
そういう意味では、病院やクリニックに行って、患者さんが『私って風邪ですか?』と聞いて無料で教えてくれるところは一般的にはない。
でも、われわれ士業は時折、”情報だけ”を吸い取られることがよく起こる・・・
その情報を蓄積するために、どれくらい自己投資したかなんてことは、聞く側には関係ないですからね・・・
なかなか悩ましいんですよ・・・ホント