この度の「持分なし医療法人への移行認定制度」の改正により、従来までの非課税要件が大幅に緩和され、制度利用がしやすくなりました。
厚生労働省としても医療法人の出資持分について、「あり」から「なし」へ移行して欲しいという意図が大きく感じられるポイントとなっています。
ただし、その代わりに、移行後6年間、「運営要件」を満たして行かなければならないこととなり、認定時の負担は軽減されたが、その後の6年間の運営の監視に比重が置かれることとなりました。
先日、本件に関する制度改革セミナーに参加して参りましたが、一部曖昧な説明がなされた部分があり、直接厚生労働省に確認した事項がありますので、ここでご紹介します。
通常であれば、医療法人の持分を有する人がその持分の全部又は一部の放棄をした場合は、その医療法人の持分を有する他の出資者に贈与税が課されるのですが、今回の認定を受けた認定医療法人の場合においては、所定の期日までに最終的に出資者全員が放棄することになれば、すべての贈与税はかからないことになります。
例えば、X医療法人に出資者がA、B、Cの3名とします。
ある時点でAが持分を全部放棄すると、BとCに等分に贈与されたことなりますが、BとCも最終的に所定の期間までに持分を全部放棄すれば、A、B、C、さらにXに関する贈与税の問題はすべて発生しないということです。
ただし、Aが放棄した時点で税務当局への書類上の手続きは必要となりますので、この書類上の手間が面倒だという場合は、個別に放棄することはおすすめしません。
以上、認定計画のご参考となれば幸いです。