ここでの職種としては、調理師(コック)と留学生が「留学」の在留資格で資格外活動許可を得て1週間28時間以内で就労する場合を除外して話を進めたいのですが、
飲食店で働く外国人の在留資格は何でしょうか
自らが経営する在留資格「経営・管理」をさらに除くと、
在留資格「技術・人文知識・国際業務」しかない、という答えに辿り着く。
(在留資格「高度専門職」や「企業内転勤」も極めて限定的なケースなので除外する)
ところが、、、
外国人が飲食店で働く場合の在留資格「技術・人文知識・国際業務」の要件は、かなりハードルが高いと言わざるを得ない。
例えば、その飲食店を利用する客層のうち外国人の占める割合が多く、メニューの説明や通訳の必要性が高いお店など、単なる飲食店のホールスタッフとは異なる業務が必要なケースなどが挙げられる。ただし、この場合も必ず許可が下りるわけでは決してない。
<また、このようなお店がいったい日本に、いや東京にどれくらいあるというのか>
また、比較的大きな会社で、複数の店舗展開をしており、店舗管理や仕入れ交渉などマネジメント業務をメインに行う場合なども挙げられる。ただし、この場合も必ず許可が下りるわけでは決してない。
<そもそも入社後すぐに店長候補やマネジメント業務、経理業務などに就く仕事などは日本人の場合でもそんなにあるケースではないのではないか>
つまり、何となく不公平で理不尽に思われるかもしれませんが、日本人が飲食店で何となく働く、という感覚で外国人が働くことはほぼ不可能ということ。
入国管理局に言わせれば、いわゆる「単純労働」に当たる職種は外国人の就労系在留資格に当たらない、というわけだ。
<永住者や定住者、日本人の配偶者などの身分系在留資格はジョーカーみたいな立場なので除外、彼らは就労制限なし>
しかし、例えば、日本人の場合でも最終的に店長候補やマネジメント業務に就く場合でも新入社員として勤務し始める場合は、現場である飲食店等で働くことがあるのではないか、という疑問が残ること。
現在の状況が、少なくとも10〜15年くらい前の日本で就労する外国人の量や質と比較すると変化してきているにもかかわらず、入国管理局での在留資格の要件は依然として昔の要件のままであること。
外国人が日本人と同様に現場で下積みをして店長候補やマネジメント業務に就くという道がほぼ閉ざされているという状況はいかがなものかと思うのである。
とはいえ、最も腹立たしいことは、現実として許可が下りるケースと下りないケースが存在するわけですが、その違いに見分けがつかないこと。入国管理局は自由裁量なのでブラックボックスなのだ。
一見、ホームページ等でお任せください的な宣伝文句を出しているところでも、100%の約束はしないでしょう、
しない、のではなく、できない、というのが正確なところでしょうが。
結果として、通訳や貿易業務を担当するということを隠れ蓑にして、実際は現場スタッフとして雇用するという脱法的な方法で就労させるような仕組みを入国管理局の曖昧な対応(審査要件)が作り出していると言わざるを得ないということ。まさに本末転倒
こういう脱法的な状況である否かがなかなか判断できないため、当事務所では基本的にこの手の案件はお断りしております
在留資格の手続きで一番難しい案件なのではないかと私は思っています