6月の終わりにこの日記の中で、短編集『スモールワールズ』の話を書きましたが、
また1冊、本のお話を。
藤原伊織さんの『テロリストのパラソル』
いわゆる学生運動時代を共に生きた男女の二十数年後に起こる数奇な運命を描いた作品なんですが、主人公目線の社会に対する感覚や自己認識などの部分が私にはとても感じるところがありました。
また、この作品の興味深い部分は、登場人物がアルコール依存症の人や反社会的勢力、ホームレスなど、ある意味特異な存在の人間でほぼ構成されているのですが、決して非現実的な印象はなく、世の中のどこかで必ず起きていそうな臨場感があるところ
あと、物語の重要なキーマンとなる女性が1人いるのですが、自分の中で勝手にどんな容姿なのかを想像しながら、その人の言動を読めたことが印象的でしたね
さて、まだまだストックしてある本がありますので、次を読み始めることにします
次はどんな作品に出会えるのか、楽しみです